餓鬼道

f:id:Elipomice:20220403223724j:plain

突然ですが、皆さんは餓鬼というものをご存じでしょうか。

私はよく知らないのですが、仏教の世界観によると、われわれ命あるものは必ず死を迎え、そのあとに輪廻転生というものをやるみたいです。で、この輪廻転生によって、業とよばれる生前の行いに応じて、われわれの様々な"次の生"がどのようなものか決定されるそうです。
受験勉強を頑張らない→2浪を経てM大学のような三流大学に入ることになってしまう…
学生生活を頑張らない→正規の職を得ることができず、保険証はいつまでたっても国保、ボーナスはもらえない、結婚もできない…
等の現象のように、輪廻転生も「それまでの行い」と「その報い」のセットによって成り立っているのだそうです。(だそうです。などと書いているものの、何か参考となる文献にあたったりしていないので、すべて仏教シロウトである私の認識に過ぎません。間違ってたらごめんなさい)

この画像は『餓鬼草紙』という平安時代鎌倉時代?の絵巻物ですが、高校時代に受けた日本史の授業で私はこれを見て、衝撃を受けたことをはっきり覚えています。
高校2年生の当時から、受験科目として使う予定のなかった日本史の授業を、まして仏教に関心もなく、かなり不真面目に受けていたような気がするのですが、当時の私の担任でもあった日本史の先生(毛沢東に激似の中年男性)が
「ここに描かれている餓鬼は、前世で悪いことをしてしまって、常に飢えや苦しみを感じている状態なんだ。でも、なぜか人間のクソしか食べることができないから、こうやって人間に寄っていってるんだ。お前らも、悪いことをすると、どうなるか分かんねえぞ」
というような説明をしていました。
…そんな…糖質制限ですら絶対ムリなのに、人間のクソしか食べられないとか、ありえないでしょ………


………ということを、なぜいま思い出したのかといいますと、私は銭湯に行くのが好きなんですね。で、残念なことに私はとうぜん女湯には入れませんし、本物を眺める機会もありませんから、実態がどうなのかはよく分かりませんが、
「女性の裸は、そう汚くない」
と思うんです。汚くないってのは、垢がついてるとか腋毛がどうとかではなく、生物の自然な造形として綺麗なのか汚いのか、ということです。
一方で思うのが、銭湯の男湯やその更衣室で見かける、とりわけ中年以上の一般男性の裸って、汚いものが多いように感じるんです。肌に張りがなくて、皮膚がたるんでいて、腹が突き出ていて、でも脚は細い…というように。
ここで、男湯に入る習慣のない人が日頃見るであろう「裸の男」は具体的に誰なのか、いくつか例を挙げてみましょう。

ダビデ像
ミケランジェロの彫刻。筋肉質なフルチンの男性。
・大相撲力士
大相撲は見栄えの良さを競うスポーツではないが、アスリートである力士は、常軌を逸する日常の苛烈なトレーニングにより、その身体を鍛え上げている。
なかやまきんに君
筋肉質な身体を活かした、変顔を見せポージングしたり叫んだりする芸風で知られるタレント。ボディビルダーでもある。

…お気付きでしょうか。彼らは、みな、「肉体のプロ」なのです!ダビデは知りませんが、まぁミケランジェロもわざわざ汚い身体の男をモデルに彫刻なんて作る気も起きないでしょうから、きっと知り合いのレスリング選手か何かをアトリエに呼んでフルチンにさせたのでしょう。

結論を申し上げます。
「一般人の男の裸は汚い」

で、銭湯で汚い男のグロテスクな裸を見て、突き出た腹と細い脚-それは"死"を想起させる-を見て、私は
「これは、見覚えがある。餓鬼道に墜ちた人間の成れの果て、だ…!」
と思い、彼らのようになりたくない、と強く感じたのです。

べつに、裸を評価されるカッコいい身体になりたい、とかではないのですが(カッコいい方がいいのは勿論そうですが)、死を感じさせるグロテスクな身体(彼らも善良な市民でありますから、こう何度もdisるのは気が引けますが)になりたくないのです。

ということで、運動することを決心した私は、仕事が終わって家に帰ってすぐ、スウェットに着替え、アニソンを聴きながら(余談ですが、私は『ひだまりスケッチ』シリーズが好きです)、近所の墓所の周りをランニングして、洗濯機を回して、お風呂に入って、お酒を飲まず(えらい)、布団でリラックスして今に至るわけです。

運動し、テストステロン出しまくり(←ここ5・7・5)、アルファ・オスへと変貌を遂げ、稼ぎまくり、モテまくり…
(バスタブにお札)(若い女性ふたりをはべらす)(5万円のパワーストーンのネックレス購入レビュー)(月刊ムーとかの一番最後のページ)

臭いオタクが汗かきながらアニソン聴いて夜中にお墓の周りを走ってたら、まぁ通報されても文句は言えませんね。でも、人間ですから運動したら汗をかくのは当然ですし(※注:ヲタクの汗は臭い。この話はまた別の機会にしたいと思います)、朝からバイトですからね………


最後に、私は死後の世界を信じてないのですが、せっかくですから輪廻転生するとして、運動して、その甲斐あって餓鬼にならずに、餓鬼道に行かずに済んだとして、輪廻転生を挟んだ最良の死後のプランについて考えてみましょう。いちばんランクの高い「天道」に行きたいですね。

ようわからんのでwiki「天」より抜粋
「天道は、六道の最上位である(この文脈では天道と訳すことが多い)。そのすぐ下位が人の住む人道である。」
「天人は長寿で、空を飛ぶなどの神通力が使える。また、快楽に満ち、苦しみはない。」

快楽に満ち、苦しみはない(断言)。最高かよ。頼もしすぎるぜ。いやなんか、空飛ぶとかそういうのは別にいいから、実家が裕福で、文学部で、中高一貫の女子校出身で、ムチムチしてて(以下略)みたいな女の子がたくさんいる世界だとなおのこと最高ですね。

雑感

はてさて、失職して復職してまた失職した私は、新居への引越しと共に、生計を立てるべく勤労フリーター生活を開始したのであります.

今年のはじめからやっているバイトに、とある女子大生がいまして、彼女が言うには「姿勢を整えよ」と。なるほど、日頃、猫背と胃下垂をどげんかせねば、と考えていた私に、そうすべき理屈を説いてきた。ということで、意識して姿勢よくしようと一昨日からやっているわけです。

…いわゆる「巻き肩」を改善しようとして、胸を張るように、気持ちとしては「両肩の重みを、背中の真ん中のあたりに預ける」ということを意識して、勤務時間外も過ごしていました。
そうしたところ、背中の真ん中あたりが痛くなり、デパスロキソニンを飲んでなんとかやっているのですが、限界を感じつつあります。

私の知人に、ヘルニア持ちの中年女性がおりまして、彼女に勧められたのですが、どうやら上野と秋葉原の間に「中国人のおじさんがやっている整体」があって、そこが整体では最も効き目を感じるのだ、と。私も詳細を聞いたので、ご興味あれば私にお尋ねください。

働いて背中を痛くして、背中の痛みを取るために上野でお金を払って、お金を稼ぐために働く、と、いったい自分は何のために生きてるのか分からなくなりますが、みんなそんなもんなんだと思ってます。近々レポ書きますね。

ほろ酔いの東京メトロ有楽町線より。それでは皆様ごきげんよう。よい夢を。

君と好きな人が

ウレタンマスクが高く売れたんです(コロナギャグ)

これはめっちゃ面白いギャグを思いついたと大喜びしたのですが、全然ふぁぼが付きません…泣きそう

仕事をやめてから、ちょっとは色々なことがありまして、たとえばその一つ、7月の頭にスマホが突然動作しなくなってしまったのです。夜のことで、LINEを返さないと仕事になりませんから(働いてはいます)、社用車をちょっくら拝借して秋葉原に行って、開いてるショップを探し出して、急きょ新機を購入しました。ここまでで壊れてから1時間ちょいくらい。まあとにかく、ファーウェイからファーウェイに買い換える羽目になりました。
そういえば、後輩にあたる職場のスタッフが、機種変をするからという理由で仕事を丸一日休んだことがありました。お前それはバカというか、トロいんじゃないの?と、私はそれを聞いてくすっと笑ってしまいました。

皆さん、秋は好きですか?私は秋が好きです。
今年も9月に入って、いきなり寒くなりましたね。こういう「夏の終り」ときですとか、あるいは11月の「冬が来た」ときのように、一陣の冷たい風が吹いて、身体でもって一瞬のうちに季節を感じられる秋が好きです。一瞬の風の持つ情報量はとても大きい。そう思います。

世の中には、臭いものを見たらその蓋を開けて「これは臭いぞ!!!」と大声で叫ばないと気が済まなかったり、他人のかさぶたを爪で剥がすことに無上の喜びを感じる人たちがいます。私はそういう人たちがとても苦手です。
自分の知っている法則やルールや価値が、目にうつる世界のそれと異なっていたら、気持ちが悪く感じられるのでしょうか。
いま持っている大切なものの存在や価値に気付き、それを守っていくことをやっていかないといけない、と感じます。家の外はとても危険で、世の中にはどうしてもわかり合えない(度合いが高い)人種がいるのです。
あなたのかさぶたは、あなたのものだよ、って思います。


ご存じだと思います、一青窈に『ハナミズキ』というヒット曲があります。
私が小学生の頃に流行ったこの曲がけっこう好きで、たまに聴いたりするんですが、その中の
「君と好きな人が 百年続きますように」
という歌詞の意味が、はじめて聴いたときから今にいたるまで、未だにピンと来ないんです。
や、たとえばさ、元カノの幸せを願うんだったらわかるよ?でもそいつの今カレに対してはなんかムカつかない?え?何?ぼくがプロ寝取らレイヤーだからそう感じるだけなの?
君と好きな人が百年続きますように、って、どういうことですか?と、小学校の音楽の先生に尋ねたことがありました。彼女は
「元カレとその今カノの幸せを願う、そういうのが大人の恋愛なのよ」
といった内容のことを私に返しました。
子どもの純粋な好奇心とはいえ、ヒット曲の歌詞の意味について真面目に答えなきゃいけないのですから、音楽の先生も大変ですね、って、私もいま他人事のように言っちゃいましたけど、あの時はちゃんと答えてくださってありがとうございます………(しみじみ)

上の話にちょっと関連して、私は季節はずれの曲を聴くのがなんか好きでして、きのうは『3月9日』とか『うれしいひなまつり』を何度か聴きました。総理大臣が菅さんから他の誰かに変わる頃には波乗りジョニーとか聴いてます、きっと

私事(全部私事ですが)、最近は家の排水溝がよく詰まるようになりました。仕方がないのでいやいやながら(面倒)毎回直してます。さらばハイスイコー。
で、さっき、お風呂場の排水溝をいじってたら髪の毛がめっちゃ溜まってて、脱毛量すげー、と。私の身の回りの20代、AGAを始めたり白髪染めを始めたりしています。髪の話、ほんと怖いなぁ。

ひとり暮らしなものでして、家でお酒を飲みながら、幸せなことを妄想するのにハマってます。それで無限に独り言を呟いて、ひとりでニヤニヤしながらリビングを歩き回って、笑ってます。おすすめ。最近は幸せな夢を見ることにも挑戦中です。寝る前にお酒を飲んで布団の中で幸せなことをやはり妄想するだけ。残念ながらこれはあまり成功していません。良いやり方をご存じの方、ご教授くださいませ…

それではごきげんよう。季節の変わり目ですから、お腹を出して寝ないよう、お気を付けてお過ごしくださいね。

無職になりました

表題のとおり、4月いっぱいでお仕事をやめて無職になりました。直接的な退職の理由としては「つかれたから休みたい」といった感じです、カタワ者が社会に出るとつらいことが多いのですね。ほんとうに上司には恵まれたのですが…

再就職(?)のお誘いがあったのをお断りして、意気揚々と、無職をやっていきます。今のところGWの予定は「麻雀」と「友人の引越し手伝い」だけです。予定がないってすばらしい!!!
明日は朝起きなくていいんだ〜〜〜ァァ〜↑↑↑
というわけで、無職経験者の方には、たのしい無職の過ごし方をご教授いただきたいです。よろしくお願いいたします。

King Gnu

あけましておめでとうございます〜(激遅)
ブログ更新をおサボりしていたというか、単に書くことがなかったですね… まぁ、ゆるりと…

いつか「肥満」についてじっくりブログでお話したいなと思ってますが、やはりこれは私にとって重要なテーマなので、なかなか書き始めるに至らないのです。
夏休みの宿題ではまず簡単に終わるやつから先に手を出すタイプの人なので、なかなか、こう…ですね
人ってそれぞれ「自分が本当に語りたいテーマ」を一つだったりいくつか持ってるものだと思うんです、「いじめ」「身長」「中学受験」「毒親」「格差の再生産」などなど色々ありますね

あ、今日の昼間に気付いたことシェアさせていただきます
「よりどりみどり」って言葉あるじゃないですか、あれ漢字で書くと「選り取り見取り」なんですね!昔から、なんとな〜く「よりどり緑」だと思ってました…よりどりグリーンです 語感のいい言葉すき

King Gnu←読みキンググヌだとずっと思ってたんですが、どうやらキングヌーらしいです

顕○会に勧誘された話

勧誘されやすい人、というのが世の中にはいます。私なんかは、猫背で、あまり人を殴ったことがなさそうな顔をして(←これは悪口の意味合いです)街を歩いていますので、きょうも街ゆく不動産営業のアンケートに回答していました。
こういう文脈でいうところの「いい人そう」は、全く褒め言葉でもなんでもないんですよ、単に人間を動物的要素で二分して「狼の側か羊の側か」といって羊の側の人間を曖昧にそう呼ぶわけですね。
さて、私ばかり卑屈になっていても何もはじまりませんから、本題に入ります。

それは時期としては、私の大学生活の後半に差し掛かる頃でしたから、いまから3〜4年前の話です。
ある冬の寒い日、バイトから帰る私は、実家近くのセブンイレブンの喫煙所で、いつものようにひとりで氷結ストロングをあおっていました。そのとき、隣でタバコを吸っていたドカタ風の男性二人が唐突に話しかけてきたのです。詳細は忘れましたが、その内容は
「俺たちは近くに住んでいるから、今度メシでも行こう」
というものでした。彼らと連絡先を交換し、ほろ酔い加減で床に就いた数日後、彼らのうちの先輩格から、お疲れさま!といった具合で、近所のファミレスでディナーに誘われました。当時既に他の宗教団体やマルチの勧誘を経験していたので、これから起こることの様々をこの時点でなんとなく理解していました。さりとて、ニート同然の生活を送っていた当時の私に、それを拒否する特別な理由はなかったので、その誘いに応じて、指定された時間と場所に、近所のファミレスをたずねたのです。
テーブルに並んだドリアやポテトを囲って男性が3名、私と、先輩格の中年と、その後輩らしき若者がありました。
展開としては、先輩格の中年が悩み事を聞き出すといった切り口で、顕○会について説明をするというものでした。
「俺はキリスト教の幼稚園に通っていたんだ。君は?」
「特に記憶にないです。」
日蓮大聖人って知ってる?」
「名前くらいは」
「創○学会って知ってる?」
「はい」
といった、おおよそありきたりとも思える流れ、話を聞かされている側の心理状態としては
「おぉ、これが宗教の勧誘だ」
というもので、特筆すべきことは何もありませんでした。
死後の世界と現世について語る彼、私は内心「中卒の低能が、なにをもって僕にそんな世界を語るのか」などと思いながらそれを聞いていたところ、ご利益について語る彼の口から
「先の話の、発達障害の子を持った彼女は、前世のカルマがあってそうなった(のであるが、信仰心により宝くじを当選させ、幸せを得た)」
という言葉を耳にし、とにかく煽り耐性などなく単純バカ明朗云々の私は
「うちの弟は自閉症です。僕も発達障害があります。発達障害の息子を二人も産んだうちの母は、よほど悪いことを前世でやったわけですね」
と返答してしまいました。
私に何やら色々と説いていた先輩格の男性は
「うーん…」
としばらく黙りこんだあと
「そういうケースもある…」
と言葉を濁しました。

私の叔母は、膠原病の難しいやつか何かをやっていて、病院に通って虚しくなるなどしたのち、とても怪しい(我が家の笑っちゃいけないネタ認定されてるような)くっそ怪しいセミナーに大金をつぎ込んでいます。人智を超えた信念の文化に、私も意味がないとは言いませんが(アホだと思っています)、ある種の生きづらさに喘ぐ人々に特有の対処法があることを理解しているつもりではあります。

面白かったのは、顕○会のなかでは
「より嫌がっている人を折伏すると、折伏によって得られる徳ポイントにボーナスが付く」的な話を先輩格の彼から聞いて、あぁ、なんか、ドラクエでいうとはぐれメタル的な客なんだな僕は、って思いました。

その後、後輩格の若いお兄ちゃんと二人で帰って、近所の公園のうんていの前で一杯やりました。彼は、先輩格の男性に勧誘されて顕○会に入って、お高い仏教の参考書を買わされたそうです。彼は翌年春、徳島だか高知だかに引っ越すそうで、先輩とも顕○会ともLINEをブロックしてトンズラできることを嬉しそうに語っていました。奴に幸あれ。

街を歩いてるだけで宗教やマルチや不動産の勧誘に遭うのは、別に私が優しそうとかいい人そうというわけではなく、単に端から「主体性がなく、チョロそう」に見えるというだけの話で、これは男としてほんとうに恥ずべきだと思います。
筋トレでもしようかな、めんどくさいな、とにかく歩いてて姿勢が悪いとナメられるんだろうな、
というわけで、整体に10回通うと姿勢がよくなると聞いているので、整体に行ってみようかななどと本気で考えはじめている今日この頃です。整体っていくらするんですか?でも姿勢がよくなるなら、お金出しちゃいますよね。

ラストエンペラー

昨日の夜、映画『ラストエンペラー』を観たんです。
♫てれれれ〜…てれれれ〜…てれれれ〜…れれれ〜れ〜…(メインテーマ)
私とこの名作との最初の出会いは、あるお正月のことでした。

毎年、父の実家にあけましておめでとうを言いにいくのですが、私の祖母のもとで伯父(還暦を迎えた統失ひきこもり無職)が住んでおりまして、彼と話すのは我々がしんどいから、お前が部屋に挨拶に行ってこい、と。
要は、家族内で私が「伯父さんを担当」しているのです。
この伯父さんは、山口組に命を狙われているホラー作家だそうです。
「ゑりぽむ君、きみはジョブズを知っているか?………ボクも、ジョブズのように起業をして、大成功する予定なんだ。。。来年のお年玉は、いくら欲しいかい…?」
…おじさん、ジョブズがおじさんと同じくらいの歳のとき、ジョブズは何してたと思う?死んじゃってたよ、ジョブズ
なんて言えないので、お年玉で100万円もらえたらいいですね〜!などと、つとめて明るい顔で答えたりしています。

ある年、そんな伯父さんの引きこもる部屋に私が挨拶に行ったところ、彼は寝そべりながら映画『ラストエンペラー』を観ていました。タバコを吸いながら、ユダヤ人がどうのみたいな話を聞かされた記憶があります。ユダヤとかフリーメーソンとか、トーシツの人たちの必修科目なのか?

伯父さんは祖母の年金だけで暮らしていて、いまの私よりも裕福そうな生活を送っています。浪人して千葉大学の薬学部を目指した彼は、のちに入学した大正大学を数週間で中退したそうです。私が物心つくときには、既に彼は仕事をしていませんでした。

私が高校生のころ、彼はお正月に、小説を書くためにwordの使い方を尋ねてきました。
小説を書かなくなってから、映画『ラスト・エンペラー』を観ていました。
その次のお正月は、山本太郎とガレッジセールのゴリと黒人数名が出演する、沖縄のような場所を舞台にしたドラマを観ていました。
翌年、お年玉をせびりに行ったところ、「お金を持っているだろう?」と、コンビニでウイスキーを買ってくるよう彼は私にお願いしました。
そのまた翌年、伯父さんは「ウー」といいながら、寝そべってお酒を飲んでいました。

来月、また伯父さんに会う機会があるので、彼にウイスキーの差し入れをしようと思います。